日本人の「終末期がん患者のスピリチュアルペイン」概念分析

要旨目的:日本人の「終末期がん患者のスピリチュアルペイン」の概念を明らかにすることである.方法:日本国内の文献を対象に,Rodgers & Knafl(2000)の概念分析方法を用いて分析した.結果:7つの属性:【意味への問い】【死に対する不安】【尊厳の喪失】【罪責意識】【現実の自己への悲嘆】【関係性の喪失】【超越的存在への希求】,2つの先行要件,4つの帰結が抽出された.結論:本概念は,「終末期がん患者が,生命の危機の恐怖や病気の進行による身体機能の衰えに伴い無力感を抱くことによって,生きること・存在すること・苦悩することの意味,死への不安,尊厳の喪失,罪責意識,現実の自己への悲嘆,関...

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Veröffentlicht in:日本看護科学会誌 2017, Vol.37, pp.456-463
Hauptverfasser: 嶋田 由枝恵, 宮脇 美保子
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:要旨目的:日本人の「終末期がん患者のスピリチュアルペイン」の概念を明らかにすることである.方法:日本国内の文献を対象に,Rodgers & Knafl(2000)の概念分析方法を用いて分析した.結果:7つの属性:【意味への問い】【死に対する不安】【尊厳の喪失】【罪責意識】【現実の自己への悲嘆】【関係性の喪失】【超越的存在への希求】,2つの先行要件,4つの帰結が抽出された.結論:本概念は,「終末期がん患者が,生命の危機の恐怖や病気の進行による身体機能の衰えに伴い無力感を抱くことによって,生きること・存在すること・苦悩することの意味,死への不安,尊厳の喪失,罪責意識,現実の自己への悲嘆,関係性の喪失,超越的存在への希求等について問い続けざるを得ない苦痛」と定義された.これは,欧米のそれと多くは共通しており,人間の根源性に関わるものであった.日本人の特徴は,属性の【尊厳の喪失】と強く結びついていた排泄行動と,帰結における【複雑な様相性】を示す表現方法にあることが考えられた.
ISSN:0287-5330
2185-8888
DOI:10.5630/jans.37.456