摂食障害者の属性が両親の生活困難度に与える影響

要旨目的:両親の生活困難度に影響を及ぼす摂食障害者の属性を検討することは,個別性のある家族支援を考えるための重要な判断材料となる.方法:摂食障害者の両親を対象に自記式質問紙調査を行った.質問紙の構成は,属性4項目と生活困難度尺度15項目とした.結果:有効回答数は45名(57%)であった.摂食障害者の年齢と「患児をおいて自由に外出ができない」「患児の世話で心身ともに疲れる」(P < .05),「自分だけの時間が持てなくなった」(P < .01)との関連を認めた.さらに,発症時期と「他の家族の結婚話などで気苦労が多い」(P < .05)との関連,入院歴と「患児をおいて自由に外出が...

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Veröffentlicht in:日本看護科学会誌 2017, Vol.37, pp.179-184
1. Verfasser: 平井 孝治
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:要旨目的:両親の生活困難度に影響を及ぼす摂食障害者の属性を検討することは,個別性のある家族支援を考えるための重要な判断材料となる.方法:摂食障害者の両親を対象に自記式質問紙調査を行った.質問紙の構成は,属性4項目と生活困難度尺度15項目とした.結果:有効回答数は45名(57%)であった.摂食障害者の年齢と「患児をおいて自由に外出ができない」「患児の世話で心身ともに疲れる」(P < .05),「自分だけの時間が持てなくなった」(P < .01)との関連を認めた.さらに,発症時期と「他の家族の結婚話などで気苦労が多い」(P < .05)との関連,入院歴と「患児をおいて自由に外出ができない」(P < .05)との関連を認めた.結語:摂食障害者が現在19歳以下であること,あるいは発症が20歳以上であること,入院歴があることによって,両親は困難を経験しやすかった.そうした点を考慮し,家族への支援をおこなう必要がある.
ISSN:0287-5330
2185-8888
DOI:10.5630/jans.37.179