子どもを得ず不妊治療を終結する女性の意思決定プロセス - 複線径路・等至性モデル (TEM) による分析

「要旨」 目的: 不妊治療を受療した女性が子どもを得ず治療終結を意思決定する過程の多様な径路と, 多様な径路を辿る影響要因を明らかにし, その特徴から終結期の看護支援を見出す. 方法: 子どもを得ず不妊治療を終結した女性15名に面接調査を行った. 分析手法は, 複線径路・等至性モデル(TEM)を用いた. 結果: 終結過程は, 治療を周囲に伝えるか否かの選択, 治療継続か否かの葛藤, 相談するか否かの選択, 本当に治療をやめてよいかの葛藤などの分岐を経ながらそれぞれの径路で終結に向かっていた. 周囲の期待・年齢の焦り, 諦めきれない思いなどが治療継続を選択させ, 夫や親の承認, 医療者の対応,...

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Veröffentlicht in:日本看護科学会誌 2017, Vol.37, p.26-34
Hauptverfasser: 三尾亜喜代, 佐藤美紀, 小松万喜子
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「要旨」 目的: 不妊治療を受療した女性が子どもを得ず治療終結を意思決定する過程の多様な径路と, 多様な径路を辿る影響要因を明らかにし, その特徴から終結期の看護支援を見出す. 方法: 子どもを得ず不妊治療を終結した女性15名に面接調査を行った. 分析手法は, 複線径路・等至性モデル(TEM)を用いた. 結果: 終結過程は, 治療を周囲に伝えるか否かの選択, 治療継続か否かの葛藤, 相談するか否かの選択, 本当に治療をやめてよいかの葛藤などの分岐を経ながらそれぞれの径路で終結に向かっていた. 周囲の期待・年齢の焦り, 諦めきれない思いなどが治療継続を選択させ, 夫や親の承認, 医療者の対応, 限界の自覚, 産まれる子どものリスクと命の有限性の実感が, 終結の意思決定に影響していた. 結論: 治療継続・終結への思いと影響要因を把握し, 適切な情報提供と相談の機会を確保し, 本人と重要他者が納得し選択できるように支援することが重要である.
ISSN:0287-5330