炎症性腸疾患患者の生物学的治療選択に関する意思決定プロセス
要旨目的:炎症性腸疾患患者の生物学的治療選択に関する意思決定プロセスを明らかにする.方法:Grounded theory approachを用いて,寛解期にある炎症性腸疾患患者20名に半構造化面接を行い,継続比較分析を行った.結果:分析の結果,炎症性腸疾患患者の生物学的治療選択に関する意思決定プロセスとして【症状軽減を狙った賭けに出るか否か】というコアカテゴリーが抽出された.これは《症状による生活への支障》,《治療の選択・決定に臨む姿勢》,《情報・経験の模索》,《天秤にかける》,《決断》という5つの段階から構成された.《天秤にかける》段階で患者は,『病状の重大性』,『普通の生活への希求』と,『...
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Veröffentlicht in: | 日本看護科学会誌 2016, Vol.36, pp.121-129 |
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Hauptverfasser: | , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Schlagworte: | |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 要旨目的:炎症性腸疾患患者の生物学的治療選択に関する意思決定プロセスを明らかにする.方法:Grounded theory approachを用いて,寛解期にある炎症性腸疾患患者20名に半構造化面接を行い,継続比較分析を行った.結果:分析の結果,炎症性腸疾患患者の生物学的治療選択に関する意思決定プロセスとして【症状軽減を狙った賭けに出るか否か】というコアカテゴリーが抽出された.これは《症状による生活への支障》,《治療の選択・決定に臨む姿勢》,《情報・経験の模索》,《天秤にかける》,《決断》という5つの段階から構成された.《天秤にかける》段階で患者は,『病状の重大性』,『普通の生活への希求』と,『副作用・効果減弱への恐怖』,『後戻りできない』,『最後の切り札』とを比較衡量し,《決断》に至っていた.結論:患者が生物学的治療に伴う利害にどのように重きを置くかによって,治療選択の決断が異なることが明らかになった. |
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ISSN: | 0287-5330 2185-8888 |
DOI: | 10.5630/jans.36.121 |