母親の育児幸福感を高めるプログラムの実施と評価

要旨 目的:本研究の目的は,母親の育児幸福感を高めるための,2時間程度の少人数参加型プログラムを開発し評価することである. 方法:プレテスト後,プログラムを7人1グループに2回実施した.プログラムに参加した14名に対しプログラムの前と後および1週間後の心理学的指標による気分や幸福実感,育児幸福感や育児ストレス,生理学的指標によりリラックスやストレスの評価をした. 結果:心理学的な気分の変化では,“不安感”“緊張と興奮”が低下していた.育児ストレスは,“子どもの発達に対する懸念”が低下し,“夫の育児サポート不十分”が上昇していた.育児幸福感では,“子どもからの感謝と癒し”が上昇していた.生理学的...

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Veröffentlicht in:日本看護科学会誌 2009/03/20, Vol.29(1), pp.1_41-1_50
Hauptverfasser: 清水 嘉子, 関水 しのぶ, 遠藤 俊子, 廣瀬 昭夫, 宮澤 美知留, 赤羽 洋子, 松原 美和
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:要旨 目的:本研究の目的は,母親の育児幸福感を高めるための,2時間程度の少人数参加型プログラムを開発し評価することである. 方法:プレテスト後,プログラムを7人1グループに2回実施した.プログラムに参加した14名に対しプログラムの前と後および1週間後の心理学的指標による気分や幸福実感,育児幸福感や育児ストレス,生理学的指標によりリラックスやストレスの評価をした. 結果:心理学的な気分の変化では,“不安感”“緊張と興奮”が低下していた.育児ストレスは,“子どもの発達に対する懸念”が低下し,“夫の育児サポート不十分”が上昇していた.育児幸福感では,“子どもからの感謝と癒し”が上昇していた.生理学的には,心拍数の低下,HFの上昇が認められた.脳波では,θ波,β波が低下し,α波の中でも特にα3波が上昇しリラックスの効果が認められた.また,母親自身の視野の広がりや安心感,託児による母親の心のゆとりが生じ,子どもとの関係の見直しにより子どもへの愛着や成長を実感していた. 結論:今後は継続的なコースによるプログラムの展開と,その後の縦断的な育児幸福感の変化の評価が課題である.
ISSN:0287-5330
2185-8888
DOI:10.5630/jans.29.1_41