介護者が高齢者にとる位置と向きの分析

要旨 本研究の目的は,介護者が高齢者との間にとる位置や視線の向きが虐待とどのように関係しているかを分析し,作成した「対人距離評価表」の有用性について検討することである.対象者は,主介護者53名である.分析は虐待あり群27名,虐待なし群26名の2群に分類し行った.対象者には,介護者の高齢者に対する心理的距離を投影法的に捉える「対人距離評価表」を用いて実施した. その結果,虐待あり群の介護者シールの位置は,高齢者が食事介助を必要としている,徘徊している場面で半数以上が,枠外(室外)や高齢者の真後ろであった.視線の向きは,高齢者が徘徊している場面(77.7%),介護者に反抗的な場面(70.3%)が,...

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Veröffentlicht in:日本看護科学会誌 2008/12/20, Vol.28(4), pp.4_46-4_54
Hauptverfasser: 小野 ミツ, 小西 美智子, 岡村 仁
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:要旨 本研究の目的は,介護者が高齢者との間にとる位置や視線の向きが虐待とどのように関係しているかを分析し,作成した「対人距離評価表」の有用性について検討することである.対象者は,主介護者53名である.分析は虐待あり群27名,虐待なし群26名の2群に分類し行った.対象者には,介護者の高齢者に対する心理的距離を投影法的に捉える「対人距離評価表」を用いて実施した. その結果,虐待あり群の介護者シールの位置は,高齢者が食事介助を必要としている,徘徊している場面で半数以上が,枠外(室外)や高齢者の真後ろであった.視線の向きは,高齢者が徘徊している場面(77.7%),介護者に反抗的な場面(70.3%)が,高齢者に無関係な方向に視線を向けていた.「対人距離評価表」の介護者シールの位置や視線の向きは,高齢者と介護者の人間関係など介護状況を反映することが示唆された.
ISSN:0287-5330
2185-8888
DOI:10.5630/jans.28.4_46