精神科入院患者から暴力行為を受けた看護師の体験―感情と感情に影響を与える要因

要旨 本研究は,精神科入院患者から暴力行為を受けた看護師の感情と,その感情に影響を及ぼす要因について明らかにすることを目的とした.精神科入院患者から5年以内に暴力行為を受けた経験のある看護師14名を対象に,半構成的面接を実施し質的帰納的に分析を行った. 分析の結果,暴力行為を受けた対象者の感情として【暴力行為によって生じた情緒的反応】,【自己概念をゆるがす感情】,【患者と関わることへの戸惑い】,感情に影響を及ぼす要因として【暴力行為の解釈】,【看護師としての職業意識】,【体験を分かち合うことの困難さ】,【支えになった同僚の存在】,暴力行為を受けた体験を通して【患者との関係修復】,【暴力行為を受...

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Veröffentlicht in:日本看護科学会誌 2007/09/15, Vol.27(3), pp.3_12-3_20
Hauptverfasser: 草野 知美, 影山 セツ子, 吉野 淳一, 澤田 いずみ
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:要旨 本研究は,精神科入院患者から暴力行為を受けた看護師の感情と,その感情に影響を及ぼす要因について明らかにすることを目的とした.精神科入院患者から5年以内に暴力行為を受けた経験のある看護師14名を対象に,半構成的面接を実施し質的帰納的に分析を行った. 分析の結果,暴力行為を受けた対象者の感情として【暴力行為によって生じた情緒的反応】,【自己概念をゆるがす感情】,【患者と関わることへの戸惑い】,感情に影響を及ぼす要因として【暴力行為の解釈】,【看護師としての職業意識】,【体験を分かち合うことの困難さ】,【支えになった同僚の存在】,暴力行為を受けた体験を通して【患者との関係修復】,【暴力行為を受けた体験からの学び】,という9つのカテゴリーを抽出した.これらにより示唆として,同僚や上司が暴力行為を受けた看護師を理解しようとする姿勢の重要性,暴力行為に対する組織的体制の確立が挙げられた.
ISSN:0287-5330
2185-8888
DOI:10.5630/jans.27.3_12