喉頭摘出者に対するフォーマルサポートの重要性―喉頭摘出者患者会会員の場合

要旨 本研究の目的は,喉頭摘出者のフォーマルサポート(FS)とインフォーマルサポート(IS)の実態を明らかにし,心理的適応との関係からその意義を検討することである.喉頭摘出術を受け,患者会(喉摘会)に所属する450名が,ソーシャルサポートに関する質問や喉頭摘出者用Nottingham AdjustmentScale(NAS-J-PAL)を含む調査票に回答した.ソーシャルサポートと心理的適応の関係の解析には一般線形モデルを用いた.その結果,FSのニーズがあるにもかかわらず,医師・看護師のフォーマルサポートやシステムが不足していることが明らかになった.FSは,「失声の受容」「不安・うつ」と関連した...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:日本看護科学会誌 2006/12/20, Vol.26(4), pp.4_46-4_54
Hauptverfasser: 小竹 久実子, 鈴鴨 よしみ, 甲斐 一郎, 佐藤 みつ子, 今留 忍
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:要旨 本研究の目的は,喉頭摘出者のフォーマルサポート(FS)とインフォーマルサポート(IS)の実態を明らかにし,心理的適応との関係からその意義を検討することである.喉頭摘出術を受け,患者会(喉摘会)に所属する450名が,ソーシャルサポートに関する質問や喉頭摘出者用Nottingham AdjustmentScale(NAS-J-PAL)を含む調査票に回答した.ソーシャルサポートと心理的適応の関係の解析には一般線形モデルを用いた.その結果,FSのニーズがあるにもかかわらず,医師・看護師のフォーマルサポートやシステムが不足していることが明らかになった.FSは,「失声の受容」「不安・うつ」と関連した.ISは,これらに加えて「自己効力感」「LOC」「自尊感情」とも関連した.喉頭摘出者に対する継続したFSシステムの不足が,喉頭摘出者の心理社会的な不適応を生じさせる可能性が示唆された.また,FSは喉頭摘出者の社会統合の促進に,ISは失声の受容などの認知的側面に対して重要な役割を果たす可能性がある.
ISSN:0287-5330
2185-8888
DOI:10.5630/jans.26.4_46