統合失調症患者における体内水分量に関する研究―病的多飲水患者と非多飲水患者との相違

要旨 本研究は,統合失調症患者のうち,病的多飲水患者と非多飲水患者,健常者の体内水分量の差異について,多周波数インピーダンス法(BIS法)を用いて探ることを目的とした.精神科病院入院中の,30~50歳代の統合失調症男性患者を対象としBIS測定を行った.比較対照群として,30~50歳代の健康な男性を対象とした.患者群の中から,独自に設定した基準に合致する者を多飲群とし,全く該当しない者を非多飲群とした.3者間で一元配置分散分析,多重比較を行った結果,体内水分割合は%ICFにおいて非多飲群が29.04±2.91と最低で,健常者群が35.15±3.77と最高であり,健常者群と多飲群,健常者群と非多飲...

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Veröffentlicht in:日本看護科学会誌 2006/12/20, Vol.26(4), pp.4_30-4_36
Hauptverfasser: 佐藤 美幸, 作田 裕美, 小林 敏生, 片岡 健
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:要旨 本研究は,統合失調症患者のうち,病的多飲水患者と非多飲水患者,健常者の体内水分量の差異について,多周波数インピーダンス法(BIS法)を用いて探ることを目的とした.精神科病院入院中の,30~50歳代の統合失調症男性患者を対象としBIS測定を行った.比較対照群として,30~50歳代の健康な男性を対象とした.患者群の中から,独自に設定した基準に合致する者を多飲群とし,全く該当しない者を非多飲群とした.3者間で一元配置分散分析,多重比較を行った結果,体内水分割合は%ICFにおいて非多飲群が29.04±2.91と最低で,健常者群が35.15±3.77と最高であり,健常者群と多飲群,健常者群と非多飲群に有意差がみられた(p<0.01).以上から,統合失調症患者における体内水分量の特徴として,細胞内脱水傾向にあること,患者の口渇は%ICFの減少に伴う,生理的な欲求である可能性が示唆された.患者の体内水分量の分布は,非多飲群に比べて,多飲群のほうが広い範囲に分散していた.
ISSN:0287-5330
2185-8888
DOI:10.5630/jans.26.4_30