胃がん術後患者の食生活および術後症状と精神的健康との関連からみたQuality of Life

要旨 本研究は胃がん術後患者のQOLを, 退院後の食生活や手術に伴う症状とQOLの要素である精神的健康との関連から明らかにすることを目的とした. 大学病院において胃がんで胃切除術を受け, 術後1年以上経過した再発徴候のない89名を対象に, 外来受診日に面接調査を実施した. 調査には退院後の食生活や胃切除に伴う症状等について独自に作成した質問紙および日本版General Health Questionnaire 28 (GHQ 28) を使用し, 各項目とGHQ総合得点との関連を比較検討した. 結果, GHQ 総合得点は平均 4.3点, 健常とされる5点以下が59名 (66.3%) であり, 食...

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Veröffentlicht in:日本看護科学会誌 2005/12/20, Vol.25(4), pp.52-60
Hauptverfasser: 吉村 弥須子, 前田 勇子, 白田 久美子
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:要旨 本研究は胃がん術後患者のQOLを, 退院後の食生活や手術に伴う症状とQOLの要素である精神的健康との関連から明らかにすることを目的とした. 大学病院において胃がんで胃切除術を受け, 術後1年以上経過した再発徴候のない89名を対象に, 外来受診日に面接調査を実施した. 調査には退院後の食生活や胃切除に伴う症状等について独自に作成した質問紙および日本版General Health Questionnaire 28 (GHQ 28) を使用し, 各項目とGHQ総合得点との関連を比較検討した. 結果, GHQ 総合得点は平均 4.3点, 健常とされる5点以下が59名 (66.3%) であり, 食生活や症状とGHQ総合得点との関連をみると, 食欲がない(U=168.5, p=0.009), 食事摂取量が80%未満(U=666.0, p=0.014), 食生活が不満足(U=93.0, p=0.003), 食後の不快感がある(U=355.0, p=0.003), 苦い水が上がる(U=377.5, p=0.014), 下痢がある(U=577.5, p=0.028)患者はGHQ総合得点が有意に高かった.食欲がなく食事摂取量が減少した患者や, ダンピング症状や逆流症状のある患者は精神的健康が低下していた.
ISSN:0287-5330
2185-8888
DOI:10.5630/jans1981.25.4_52