語りを通して体験を知る

「はじめに」本日私に与えられましたテーマは「語りを通して体験を知る」というテーマです. 「看護実践がもたらす回復力や安寧を説明すること」を, 「質的研究の成果の還元」という意味で捉えれば, 司会の井上先生が言われたように「第一義的には, エビデンスとしての価値であると思われますが, 質的研究には確かに, それには収まりきれない何かが秘められている」と私も思います. 確かにこれまでの実証科学的パラダイムにおけるエビデンスとしての価値でいえば, 質的研究のエビデンスは弱いものに位置づけられます. しかし, 質的研究の価値は, 昨今のevidence based medicineに対するnarrat...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:日本看護科学会誌 2003, Vol.23 (2), p.57-59
1. Verfasser: 田中美恵子
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「はじめに」本日私に与えられましたテーマは「語りを通して体験を知る」というテーマです. 「看護実践がもたらす回復力や安寧を説明すること」を, 「質的研究の成果の還元」という意味で捉えれば, 司会の井上先生が言われたように「第一義的には, エビデンスとしての価値であると思われますが, 質的研究には確かに, それには収まりきれない何かが秘められている」と私も思います. 確かにこれまでの実証科学的パラダイムにおけるエビデンスとしての価値でいえば, 質的研究のエビデンスは弱いものに位置づけられます. しかし, 質的研究の価値は, 昨今のevidence based medicineに対するnarrative based medicineの重視の流れにも現れていますように, それには収まりきれない何かがあります. Evidence Based Nursingの研究者であるLinda Johnston氏もその講演の中で, 質的研究の重要性について述べ, 質的研究でないと明らかに出来ないものとして, 「人々の体験」を挙げています (Johnston, L., 2002) .
ISSN:0287-5330