低位前方切除術・前方切除術を受けた大腸癌患者のQuality of Life(QOL)―排便機能障害とQUIK-Rの関連

要旨 本研究の目的は,低位前方切除術(LAR)や前方切除術(AR)を受けた患者の退院後の排便機能障害とQOLの実態を把握し,それらの関係を検討することであった. 質問紙は,排便障害評価尺度(DDAS)と自己記入式QOL質問表(QUIK-R),およびデモグラフィックシートから構成し,LARまたはARを受けた後3年以内にある患者192名が研究対象となった.対象者の平均年齢は64.6歳(SD=10.4)であった.データの分析には,Mann-Whitney検定,Kruskal-Wallis検定,Spearman's 順位相関,重回帰分析(step-wise法)を使用した. ARを受けた対象者...

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Veröffentlicht in:日本看護科学会誌 2001, Vol.21(3), pp.1-10
Hauptverfasser: 今井 奈妙, 城戸 良弘
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:要旨 本研究の目的は,低位前方切除術(LAR)や前方切除術(AR)を受けた患者の退院後の排便機能障害とQOLの実態を把握し,それらの関係を検討することであった. 質問紙は,排便障害評価尺度(DDAS)と自己記入式QOL質問表(QUIK-R),およびデモグラフィックシートから構成し,LARまたはARを受けた後3年以内にある患者192名が研究対象となった.対象者の平均年齢は64.6歳(SD=10.4)であった.データの分析には,Mann-Whitney検定,Kruskal-Wallis検定,Spearman's 順位相関,重回帰分析(step-wise法)を使用した. ARを受けた対象者に比較して,LARを受けた対象者でDDASの得点が有意に高く,DDASとQUIK-Rには正の相関が見られた.特に強い相関があったのは,「Soiling」であった.また,重回帰分析ではQUIK-Rの得点変動の22.3%がDDASと術式によって説明された. これらのことより,外来通院をする大腸癌術後患者においては,術式が排便機能障害の程度に影響し,「Soiling」等の排便機能障害がQOLに影響していることが示唆された.
ISSN:0287-5330
2185-8888
DOI:10.5630/jans1981.21.3_1