高齢者のセルフケアにおける依存行動
「I. はじめに」 2007年, 厚生労働省の人口統計によれば, 65歳以上の高齢者人口は概ね2,700万人余りに達し, その数は総人口の21.5%を占めるに至っている(国民衛生の動向, 2008). この人口比率は, 日本が世界に先がけ, すでに超高齢社会に突入したことを指す. そのような人口動態下で高齢者, 特に75歳以上の後期高齢者においては, 生理・組織学的に複数の慢性疾患を抱えやすく, そのために通院率が上昇することは, すでに統計上でも明らかにされている(国民衛生の動向, 2008). その慢性疾患(高血圧, 糖尿病, 心不全等)と強く関連する脳血管疾患, 加齢や慢性疾患を含めた複...
Gespeichert in:
Veröffentlicht in: | 福井大学医学部研究雑誌 2009-12, Vol.10 (1/2), p.1-16 |
---|---|
1. Verfasser: | |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | 「I. はじめに」 2007年, 厚生労働省の人口統計によれば, 65歳以上の高齢者人口は概ね2,700万人余りに達し, その数は総人口の21.5%を占めるに至っている(国民衛生の動向, 2008). この人口比率は, 日本が世界に先がけ, すでに超高齢社会に突入したことを指す. そのような人口動態下で高齢者, 特に75歳以上の後期高齢者においては, 生理・組織学的に複数の慢性疾患を抱えやすく, そのために通院率が上昇することは, すでに統計上でも明らかにされている(国民衛生の動向, 2008). その慢性疾患(高血圧, 糖尿病, 心不全等)と強く関連する脳血管疾患, 加齢や慢性疾患を含めた複合的要因でおきる転倒・転落による骨折等での健康/生活障害は, 日常生活におけるセルフケアの自立を妨げ, 強いては寝たきりへの大きな要因になると考えられる. しかし, 高齢者の健康に関してLowtonは, 高齢者はいかに身体的適応能力が低下しても, これまでの人生経験やいままで培った能力を生かして, 精神的・心理的機能は低下させず生活を維持する能力を有すると述べている(老人看護学, 1992). |
---|---|
ISSN: | 1348-8562 |