右房内に発生した炎症性筋線維芽細胞腫の乳児例

心臓原発の炎症性筋線維芽細胞腫(inflammatory myofibroblastic tumor: IMT)は極めてまれであり,臨床像もよく分かっていない.我々は嘔吐を主訴に受診した3か月の女児で,心エコー検査で右房内を占拠する巨大腫瘤と多量の心嚢液貯留が確認され,病理診断の結果より炎症性筋線維芽細胞腫と確定診断した症例を経験したので報告する.心タンポナーデへの進行が危惧されたため,緊急で腫瘍摘出術を施行した.本症例では血清IL-6値の上昇も認め,粘液腫と類似の臨床像を呈していた.IMTは悪性化の可能性も指摘されているため,右房内腫瘤の鑑別としてIMTも考慮する必要があり,その診断には病理...

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Veröffentlicht in:日本小児循環器学会雑誌 2016/07/01, Vol.32(4), pp.314-318
Hauptverfasser: 若宮, 卓也, 志水, 直, 中野, 裕介, 鉾碕, 竜範, 岩本, 眞理, 合田, 真海, 町田, 大輔, 磯松, 幸尚, 益田, 宗孝
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:心臓原発の炎症性筋線維芽細胞腫(inflammatory myofibroblastic tumor: IMT)は極めてまれであり,臨床像もよく分かっていない.我々は嘔吐を主訴に受診した3か月の女児で,心エコー検査で右房内を占拠する巨大腫瘤と多量の心嚢液貯留が確認され,病理診断の結果より炎症性筋線維芽細胞腫と確定診断した症例を経験したので報告する.心タンポナーデへの進行が危惧されたため,緊急で腫瘍摘出術を施行した.本症例では血清IL-6値の上昇も認め,粘液腫と類似の臨床像を呈していた.IMTは悪性化の可能性も指摘されているため,右房内腫瘤の鑑別としてIMTも考慮する必要があり,その診断には病理所見が重要である.
ISSN:0911-1794
2187-2988
DOI:10.9794/jspccs.32.314