当院におけるTCPC conversionの中期成績と効果の検討

背景:本研究の目的は,TCPC conversion手術の中期成績および効果を明らかにすることである.対象と方法:2004年1月から2013年12月の間に当院でTCPC conversionを行った35例を後方視的に検討した.術前に高度の心不全,腎不全,肝硬変を認めた症例はなかった.また,35例中18例(51.4%)でなんらかの追加術式が行われていた.結果:周術期に合併症を認めた症例は25例(71.4%)で,うち10例は上室性頻拍であった.周術期死亡は1例のみで退院後の死亡例は認めなかった.退院後の心血管event free survivalは5年で75.0%だった.NYHA classおよび...

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Veröffentlicht in:日本小児循環器学会雑誌 2016/07/01, Vol.32(4), pp.307-313
Hauptverfasser: 石井, 卓, 嘉川, 忠博, 矢崎, 諭, 斉藤, 美香, 稲毛, 章郎, 浜道, 裕二, 上田, 知実, 和田, 直樹, 安藤, 誠, 高橋, 幸宏, 朴, 仁三
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:背景:本研究の目的は,TCPC conversion手術の中期成績および効果を明らかにすることである.対象と方法:2004年1月から2013年12月の間に当院でTCPC conversionを行った35例を後方視的に検討した.術前に高度の心不全,腎不全,肝硬変を認めた症例はなかった.また,35例中18例(51.4%)でなんらかの追加術式が行われていた.結果:周術期に合併症を認めた症例は25例(71.4%)で,うち10例は上室性頻拍であった.周術期死亡は1例のみで退院後の死亡例は認めなかった.退院後の心血管event free survivalは5年で75.0%だった.NYHA classおよび不整脈頻度は術後に有意な改善を認めたが,術中不整脈治療の有無による周術期および退院後の上室性不整脈頻度の比較では有意差を認めなかった.術前後の心臓カテーテル検査では心係数(術前2.19±0.51 L/min/m2 vs術後2.85±0.84 L/min/m2,p<0.01)および中心静脈圧(術前13.1±3.0 vs術後11.4±3.4, p<0.02)の有意な改善を認めた.結論:TCPC conversionは全身状態が良い症例では安全に施行可能で,血行動態および症状の改善が期待できる.
ISSN:0911-1794
2187-2988
DOI:10.9794/jspccs.32.307