房室弁置換術後の血栓弁に対しrecombinant tissue plasminogen activatorによる血栓溶解療法を施行した単心室幼児例
「要旨」 右心バイパス術前の単心室男児(2歳)に生じた房室弁置換(SJM Regent 23mm)術後の血栓弁に対して, recombinant tissue plasminogen activator(rt-PA)による血栓溶解療法を行った. rt-PA(アルテプラーゼ)40万国際単位/kgを静脈内投与し, 開始後30分頃から尿量が増加, うっ血性心不全の症状は軽減した. X線透視では, 閉鎖位で固定していた一葉は治療後も固定したままであったが, わずかな可動性を有していたもう一葉はその可動制限を排除できた. 本治療法の副作用としてごく軽微な鼻出血を認めたが, 患者の循環動態が改善したのち,...
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Veröffentlicht in: | 日本小児循環器学会雑誌 2011-01, Vol.27 (1), p.43-48 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「要旨」 右心バイパス術前の単心室男児(2歳)に生じた房室弁置換(SJM Regent 23mm)術後の血栓弁に対して, recombinant tissue plasminogen activator(rt-PA)による血栓溶解療法を行った. rt-PA(アルテプラーゼ)40万国際単位/kgを静脈内投与し, 開始後30分頃から尿量が増加, うっ血性心不全の症状は軽減した. X線透視では, 閉鎖位で固定していた一葉は治療後も固定したままであったが, わずかな可動性を有していたもう一葉はその可動制限を排除できた. 本治療法の副作用としてごく軽微な鼻出血を認めたが, 患者の循環動態が改善したのち, より安定した状態で再房室弁置換術(On-X mitral 23mm)を施行しえた. rt-PAによる血栓溶解療法は循環動態の悪化した本症例において, 再弁置換術へのbridge therapyとして有用であった. 「はじめに」 人工弁置換術後の人工弁機能不全は, 急速な循環不全を来しうる致死的合併症である. |
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ISSN: | 0911-1794 |