ファロー四徴症術後遺残肺動脈弁逆流に対する肺動脈弁置換術の予後
[要旨] 背景: ファロー四徴症(TOF)術後遠隔期の突然死・不整脈発症要因に遺残肺動脈弁逆流(PR)による右室容量負荷がある. 遠隔期PRに対する再手術例も増加してきたが, その至適時期や効果に関しては不明な点も多い. 目的: TOF術後遠隔期のPRに対する肺動脈弁置換術(PVR)の臨床効果について検討した. 対象と方法: 2003年以降, 当院でPVR (Carpentier-Edwards pericardial生体弁使用による)を施行した13例を対象とし, 臨床症状と検査所見(胸部X線, 心電図, 心エコー図, 心臓カテーテル検査)を術前後および遠隔期で検討した. 結果: 心内修復時年...
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Veröffentlicht in: | 日本小児循環器学会雑誌 2009-01, Vol.25 (1), p.45-52 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | [要旨] 背景: ファロー四徴症(TOF)術後遠隔期の突然死・不整脈発症要因に遺残肺動脈弁逆流(PR)による右室容量負荷がある. 遠隔期PRに対する再手術例も増加してきたが, その至適時期や効果に関しては不明な点も多い. 目的: TOF術後遠隔期のPRに対する肺動脈弁置換術(PVR)の臨床効果について検討した. 対象と方法: 2003年以降, 当院でPVR (Carpentier-Edwards pericardial生体弁使用による)を施行した13例を対象とし, 臨床症状と検査所見(胸部X線, 心電図, 心エコー図, 心臓カテーテル検査)を術前後および遠隔期で検討した. 結果: 心内修復時年齢4.9±4.7 (1.0~18.3)歳, PVR時年齢23.4±11.5 (7.9~45.39歳, 心内修復時からPVRまでの期間18.4±9.3 (3.8~35.2)年, PVR後フォローアップ期間6.4±6.3 (1.8~25.3)年であった. 周術期および遠隔期死亡はなく, 置換肺動脈弁の狭窄・逆流はなかった. 心胸郭比, 右室拡張末期容量/体表面積はPVR後に有意な減少が認められたが, PVR直後から遠隔期では変化がなかった. PVR前に心室頻拍/心室性期外収縮(VPC) 6例, 心房細動(Af)/心房粗動(AFL) 2例, 完全房室ブロック1例を認めた. 術中cryoablationを5例では右扇流出路に, 1例では右房狭部に施行したが, VPCが2例に, Afが2例に残存し, 1例で新たにAFLを発症した. 1例で植込み型ペースメーカ挿入が, 他の1例で植込み型除細動器(ICD)の挿入が必要であった. まとめ: TOF術後遺残PR患者におけるPVRは右室容量負荷軽減に効果があった. 心室性不整脈は改善が認められる症例もあったが, 三尖弁逆流(TR)等の残存した症例では心房性不整脈が残存した. 術前後での電気生理学的評価を十分に行うとともにICDを含めた術後ペースメーカの必要性を認識しておく必要がある. |
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ISSN: | 0911-1794 |