すべての外科治療を心拍動下に行いFontan型手術に到達した左心低形成症候群の1例

「要旨」症例は1歳10カ月の男児. 左心低形成症候群と診断され, 日齢16日にmodified Norwood手術, 6カ月時に両方向性Glenn手術後, total cavopulmonary connection(TCPC)に到達した. Norwood手術後の心機能を維持するための手段として, 術中冠血流を維持し心筋虚血を避ける新たな方法を使って心拍動下のNorwood手術を行い, 第二期・三期手術も心拍動下に施行し良好な結果を得た. 未だFontan到達率の低い本疾患において, 右室機能保持を期待して心停止を行わない外科治療戦略が, その安全性を高める一助となると考える. 「はじめに」左...

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Veröffentlicht in:日本小児循環器学会雑誌 2007-11, Vol.23 (6), p.549-551
Hauptverfasser: 小野隆志, 森島重弘, 中澤誠, 本多正知, 桃井伸緒, 福田豊
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「要旨」症例は1歳10カ月の男児. 左心低形成症候群と診断され, 日齢16日にmodified Norwood手術, 6カ月時に両方向性Glenn手術後, total cavopulmonary connection(TCPC)に到達した. Norwood手術後の心機能を維持するための手段として, 術中冠血流を維持し心筋虚血を避ける新たな方法を使って心拍動下のNorwood手術を行い, 第二期・三期手術も心拍動下に施行し良好な結果を得た. 未だFontan到達率の低い本疾患において, 右室機能保持を期待して心停止を行わない外科治療戦略が, その安全性を高める一助となると考える. 「はじめに」左心低形成症候群に対する外科治療成績は, 近年著しい向上が認められるものの未だ満足のいくものではなく, 右室機能低下がFontan到達率に影響を及ぼす場合も少なくない. intracoronary shuntを利用したmodified Norwood手術からclipped tube fenestration1)を併用したextracardiac TCPCまで, 心停止を行わずに外科治療を終了し良好な結果を得たので報告する.
ISSN:0911-1794