メタボリックシンドロームの血管病理
「要旨」メタボリックシンドロームは, 心血管疾患に対する複数の危険因子が集積した病態を意味するが, その基盤として内臓脂肪の蓄積が重要である. 近年, 脂肪細胞はその機能として単なるエネルギーの貯蔵のみならず, さまざまな生理活性物質(アディポサイトカイン)を分泌することが判明しており, さらにはマクロファージとの機能的相似性も存在することが注目されている. 動脈硬化巣(プラーク)内にはマクロファージをはじめとする炎症細胞の浸潤がみられ, これらが粥状硬化を進展させ, またプラークの不安定化を惹起して急性冠症候群を発症させるが, そこに出現するマクロファージならびに平滑筋細胞にも免疫組織学的に...
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Veröffentlicht in: | 日本小児循環器学会雑誌 2007-03, Vol.23 (2), p.113-119 |
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Hauptverfasser: | , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「要旨」メタボリックシンドロームは, 心血管疾患に対する複数の危険因子が集積した病態を意味するが, その基盤として内臓脂肪の蓄積が重要である. 近年, 脂肪細胞はその機能として単なるエネルギーの貯蔵のみならず, さまざまな生理活性物質(アディポサイトカイン)を分泌することが判明しており, さらにはマクロファージとの機能的相似性も存在することが注目されている. 動脈硬化巣(プラーク)内にはマクロファージをはじめとする炎症細胞の浸潤がみられ, これらが粥状硬化を進展させ, またプラークの不安定化を惹起して急性冠症候群を発症させるが, そこに出現するマクロファージならびに平滑筋細胞にも免疫組織学的に種々のアディポサイトカインの局在が認められる. したがって脂肪細胞やマクロファージなどにより産生されるアディポサイトカインは, 血管壁の炎症反応を促進させることにより, 動脈硬化症の発現と進展に大きく関与するものと考えられる. MSにおける危険因子の重複はしばしば小児期より認められるが, 以上の結果は, 成人での虚血性心臓病や脳梗塞症などの予防のためにも, 幼少期からの生活習慣の是正を含めて積極的な対応が重要であることを示している. |
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ISSN: | 0911-1794 |