産科外来での胎児心エコー外来開設と先天性心疾患の胎児診断状況

「要旨」 背景:超音波診断装置の発達, 普及により先天性心疾患が出生前に診断されるようになってきた. しかし本邦では胎児心疾患スクリーニングの普及が十分とはいえない. 今回われわれの施設において産科外来に胎児心エコー外来の開設を試みた. 方法:当院では2002年より胎児心エコー外来を産科外来に開設し小児循環器科医が出向く形式をとりはじめた. そこで1999年以降の当院での胎児心エコー施行症例数, 疾患内容, 紹介理由, 紹介時の在胎週数について集計し, 2002年以降での変化を調査した. 結果:1999~2001年までの3年間に比して2002年以降は胎児心エコー施行症例数が急激に増加し, 先天...

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Veröffentlicht in:日本小児循環器学会雑誌 2007-01, Vol.23 (1), p.14-18
Hauptverfasser: 前野泰樹, 神戸太郎, 広瀬彰子, 姫野和家子, 岸本慎太郎, 籠手田雄介, 藤野浩, 須田憲治, 林龍之介, 堀大蔵, 嘉村敏治, 松石豊次郎
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「要旨」 背景:超音波診断装置の発達, 普及により先天性心疾患が出生前に診断されるようになってきた. しかし本邦では胎児心疾患スクリーニングの普及が十分とはいえない. 今回われわれの施設において産科外来に胎児心エコー外来の開設を試みた. 方法:当院では2002年より胎児心エコー外来を産科外来に開設し小児循環器科医が出向く形式をとりはじめた. そこで1999年以降の当院での胎児心エコー施行症例数, 疾患内容, 紹介理由, 紹介時の在胎週数について集計し, 2002年以降での変化を調査した. 結果:1999~2001年までの3年間に比して2002年以降は胎児心エコー施行症例数が急激に増加し, 先天性心奇形, 不整脈および心筋炎などの関連疾患の患者数が増加した. さらに近年, 在胎22週未満での胎児心エコー施行数, 先天性心奇形症例数が急増していた. 結論:「産科外来での胎児心エコー外来の開設」は, 本邦の周産期医療システムにおいて, 胎児心疾患の出生前診断を普及させるために有効な手段と考えられた. 今後, 胎児心エコー施行症例数の増加および紹介在胎週数の低下に対する対応が必要と考えられた.
ISSN:0911-1794