運動時の胸痛を契機に見つかった左冠動脈口閉鎖症の1例

「要旨」小児期に発見される先天性冠動脈異常は少ないが, 初発症状が心停止, 突然死など重篤なことがある. 特にスポーツ選手では過度の運動負荷がかかるため問題となる. 今回, われわれは運動時の胸痛を主訴に来院した9歳のバレーボール選手に, 安静時の心電図は正常であったが運動負荷試験で虚血の所見を認めたため, 心臓カテーテル検査を施行した. その結果, 左冠動脈口閉鎖症と診断し, 冠動脈バイパス術を行い良好な血流を得ることができた. 安静時の心電図に異常がなくても, 運動時の胸痛を主訴に受診する場合には原因として冠動脈奇形や川崎病などの冠動脈疾患を念頭において十分な運動負荷試験を行う必要がある....

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Veröffentlicht in:日本小児循環器学会雑誌 2005-07, Vol.21 (4), p.474-478
Hauptverfasser: 本村秀樹, 手島秀剛, 吉永宗義, 濱脇正好, 宮副初司, 森内浩幸, 江石清行
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「要旨」小児期に発見される先天性冠動脈異常は少ないが, 初発症状が心停止, 突然死など重篤なことがある. 特にスポーツ選手では過度の運動負荷がかかるため問題となる. 今回, われわれは運動時の胸痛を主訴に来院した9歳のバレーボール選手に, 安静時の心電図は正常であったが運動負荷試験で虚血の所見を認めたため, 心臓カテーテル検査を施行した. その結果, 左冠動脈口閉鎖症と診断し, 冠動脈バイパス術を行い良好な血流を得ることができた. 安静時の心電図に異常がなくても, 運動時の胸痛を主訴に受診する場合には原因として冠動脈奇形や川崎病などの冠動脈疾患を念頭において十分な運動負荷試験を行う必要がある. 「緒言」小児期に診断される先天性冠動脈異常は血管造影中に偶然発見されるような小さな冠動静脈瘻などもあるが, Bland-White-Garland(BWG)症候群, 冠動脈起始異常症, 左冠動脈口閉鎖症1, 2)など症状を示すものは3-5)それまで無症状でも初発症状が心停止や突然死など重篤な状態を呈することもある6, 7).
ISSN:0911-1794