先天性孤立性左肺動脈欠損症の1手術例
「要旨」先天性孤立性左肺動脈欠損症の1手術例を経験した. 症例は10カ月男児, 主訴は多呼吸. 出生直後より多呼吸を認め, 他院にて新生児遷延性肺高血圧症(PPHN)と診断され酸素投与を受けていた. 心エコーにて肺高血圧の所見に加え左肺動脈が描出できないため精査目的で当院紹介となる. 肺動脈造影にて右肺動脈のみ造影され, 下行大動脈造影にて左肺動脈が造影された. 右肺動脈圧は40/21mmHg, 左肺動脈圧は79/51mmHgであり左肺高血圧を認めた. 左室容量負荷の軽減および左肺高血圧改善の目的で肺動脈-主肺動脈吻合術を施行. 術後心臓カテーテル検査にて肺動脈圧の低下を認め, 良好な結果を得...
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Veröffentlicht in: | 日本小児循環器学会雑誌 2005-03, Vol.21 (2), p.136-138 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「要旨」先天性孤立性左肺動脈欠損症の1手術例を経験した. 症例は10カ月男児, 主訴は多呼吸. 出生直後より多呼吸を認め, 他院にて新生児遷延性肺高血圧症(PPHN)と診断され酸素投与を受けていた. 心エコーにて肺高血圧の所見に加え左肺動脈が描出できないため精査目的で当院紹介となる. 肺動脈造影にて右肺動脈のみ造影され, 下行大動脈造影にて左肺動脈が造影された. 右肺動脈圧は40/21mmHg, 左肺動脈圧は79/51mmHgであり左肺高血圧を認めた. 左室容量負荷の軽減および左肺高血圧改善の目的で肺動脈-主肺動脈吻合術を施行. 術後心臓カテーテル検査にて肺動脈圧の低下を認め, 良好な結果を得た. 「はじめに」先天性孤立性肺動脈欠損症は, 心奇形を伴わない先天性一側肺動脈欠損症であり比較的まれな疾患である. 発生機序は第6鰓弓の発生異常とされている1). 乳児期に肺高血圧症を呈し外科的に解剖学的修復術を施行し良好な結果を得たので, 若干の文献的考察を加え報告する. |
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ISSN: | 0911-1794 |