川崎病心筋虚血診断における"Gold Standard": Pure Gold?

川崎病に限らず, 心筋虚血に対する診断のアプローチの第一歩は冠動脈造影検査(CAG: coronary angiography)である. この侵襲的にしか施行できない検査法は, 現在も非侵襲的な検査法の"gold standard"として位置付けられている. しかし, この一般的に認められているCAGにおいても診断上問題がないわけではない. 「1. 冠動脈造影法の問題点」CAGで描出された冠動脈狭窄度(AHA分類での内腔狭小化%)は視覚的に評価され, 冠動脈重症度を表わす指標とされているが, 次の二つの条件が証明された場合に限られて適応される. つまり, 機能的に重要な側副...

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Veröffentlicht in:日本小児循環器学会雑誌 1997-01, Vol.13 (1), p.37-39
1. Verfasser: 能登信孝
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:川崎病に限らず, 心筋虚血に対する診断のアプローチの第一歩は冠動脈造影検査(CAG: coronary angiography)である. この侵襲的にしか施行できない検査法は, 現在も非侵襲的な検査法の"gold standard"として位置付けられている. しかし, この一般的に認められているCAGにおいても診断上問題がないわけではない. 「1. 冠動脈造影法の問題点」CAGで描出された冠動脈狭窄度(AHA分類での内腔狭小化%)は視覚的に評価され, 冠動脈重症度を表わす指標とされているが, 次の二つの条件が証明された場合に限られて適応される. つまり, 機能的に重要な側副血行路やlong segmentの冠動脈狭窄がないという状況下で, (1)狭窄部の近傍(proximal/distal)が正常冠動脈形態であること, (2)狭窄部形態がconcentricでsymmetricalであること, である1). 川崎病冠動脈狭窄例(eccentricな病変が多い)を考えれば, この様な条件を満たす例が極めて少ないことは容易に想像がつく.
ISSN:0911-1794