心内膜床欠損症に合併した大動脈弁下狭窄の外科治療成績と形態の検討

「要旨」心内膜床欠損症(ECD)に合併した大動脈弁下狭窄(SAS)に対する外科治療を行った7例に対する手術成績の検討とECD修復術前およびSAS解除術前の左室造影による大動脈弁下部の計測に基づく形態評価を行った. 7例中2例はECD修復術とSAS解除術を同時に施行し, 3例はECDの修復術から平均3.0年後に, 2例は僧帽弁置換術から平均8.9年後にSAS解除術を行った. 術前の圧較差は平均62mmHgであった. 経大動脈弁的SAS解除術を5例に, Konno手術を2例に施行し, 死亡例および有意な圧較差が残存した症例はない. SAS解除術前の左室造影収縮末期像における上行大動脈径に対する大動...

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Veröffentlicht in:日本小児循環器学会雑誌 1995-05, Vol.11 (2), p.147-152
Hauptverfasser: 寺田正次, 今井康晴, 高梨吉則, 星野修一, 中田誠介, 瀬尾和宏, 手塚光洋, 青木満, 山田美保, 門間和夫
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「要旨」心内膜床欠損症(ECD)に合併した大動脈弁下狭窄(SAS)に対する外科治療を行った7例に対する手術成績の検討とECD修復術前およびSAS解除術前の左室造影による大動脈弁下部の計測に基づく形態評価を行った. 7例中2例はECD修復術とSAS解除術を同時に施行し, 3例はECDの修復術から平均3.0年後に, 2例は僧帽弁置換術から平均8.9年後にSAS解除術を行った. 術前の圧較差は平均62mmHgであった. 経大動脈弁的SAS解除術を5例に, Konno手術を2例に施行し, 死亡例および有意な圧較差が残存した症例はない. SAS解除術前の左室造影収縮末期像における上行大動脈径に対する大動脈弁下最狭小部径の比は正面像, 側面像ともに0.5以下であった. また, ECD修復術から比較的早期にSASが進行した症例ではECD修復術前の左室造影側面像にて, すでに形態的な狭窄像を認めた. ECD修復術前における大動脈弁下部の注意深い形態評価はSASの早期認識, 診断および外科治療に有用かつ重要である.
ISSN:0911-1794