呼吸による上大静脈血流の変化の検討

「要旨」超音波ドプラ心エコー法を用いて小児の上大静脈血流波形を記録し, 呼吸による変化を検討した. 対象は健常小児32例で, 収縮期の最大血流速度S, 拡張期の最大血流速度Dを記録した. S波の流速はD波を下回ることはなく, D/Sは常に1以下の値をとった. また, S波, D波ともに吸気時に増大したが, D波の呼吸性変動がS波より大であった. S波, D波ともに, 年齢が高くなりにつれて減少した. 呼吸による変動の大きさに関しては, 年齢による差がなく, またS波よりD波の変動が大きいというパターンも共通していた. 本研究により, 健常小児における上大静脈の正常血流パターンが明らかになった....

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Veröffentlicht in:日本小児循環器学会雑誌 1995-05, Vol.11 (2), p.108-112
Hauptverfasser: 市橋光, 保科優, 五十嵐浩, 菊池豊, 遠藤秀樹, 倉松俊弘, 白石裕比湖, 柳沢正義
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「要旨」超音波ドプラ心エコー法を用いて小児の上大静脈血流波形を記録し, 呼吸による変化を検討した. 対象は健常小児32例で, 収縮期の最大血流速度S, 拡張期の最大血流速度Dを記録した. S波の流速はD波を下回ることはなく, D/Sは常に1以下の値をとった. また, S波, D波ともに吸気時に増大したが, D波の呼吸性変動がS波より大であった. S波, D波ともに, 年齢が高くなりにつれて減少した. 呼吸による変動の大きさに関しては, 年齢による差がなく, またS波よりD波の変動が大きいというパターンも共通していた. 本研究により, 健常小児における上大静脈の正常血流パターンが明らかになった. また, 乳幼児と年長児では呼吸パターンに違いはあるものの, 胸腔内圧の変動には差がないと考えられた.
ISSN:0911-1794