新生児・未熟児の心室流入血流, 肺静脈血流の検討
「要旨」 新生児・未熟児の左室拡張能についての検討は, 未だ十分にはなされていない. 我々は心室流入血流, 肺静脈血流をパルスドプラ法にて観察することにより, 左室拡張能を検討した. 対象は全身状態良好な成熟新生児25例(在胎37週5日~41週3日, 出生体重2,556~3,816g), 未熟児18例(在胎27週6日~36週1日, 出生体重920~2,330g)であった. 僧帽弁口, 三尖弁口, 右肺静脈内にsample volumeを設定し, 血流速波形を記録した. 僧帽弁口と三尖弁口の血流速波形から心房収縮期と急速流入期の最大流速の比LV-A/RとRV-A/R, 肺静脈血流速波形から収縮期...
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Veröffentlicht in: | 日本小児循環器学会雑誌 1993-01, Vol.8 (4), p.509-513 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「要旨」 新生児・未熟児の左室拡張能についての検討は, 未だ十分にはなされていない. 我々は心室流入血流, 肺静脈血流をパルスドプラ法にて観察することにより, 左室拡張能を検討した. 対象は全身状態良好な成熟新生児25例(在胎37週5日~41週3日, 出生体重2,556~3,816g), 未熟児18例(在胎27週6日~36週1日, 出生体重920~2,330g)であった. 僧帽弁口, 三尖弁口, 右肺静脈内にsample volumeを設定し, 血流速波形を記録した. 僧帽弁口と三尖弁口の血流速波形から心房収縮期と急速流入期の最大流速の比LV-A/RとRV-A/R, 肺静脈血流速波形から収縮期の第2の波であるS波と拡張期D波の最大流速の比D/Sを求めた. また, 心疾患を有さない生後6ヵ月から15歳までの小児30例を対照群とした. 対照群において心拍数とLV-A/R, RV-A/R, D/Sはそれぞれ相関を示した. 成熟新生児群と未熟児群の比較では, 有意な差は認められなかった. 対照群の結果からの予測値と比較して, 成熟新生児・未熟児ではLV-A/Rが有意に高値を示したが, RV-A/R, D/Sでは明らかな傾向は認められなかった. これらのことから, 成熟新生児・未熟児ではそれ以降の児と比較して左室拡張能が十分でないことが示唆された. |
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ISSN: | 0911-1794 |