心奇形, 心結合を伴なう胸腹結合体の1剖検例

「要旨」 胸腹結合体の1例を経験した. 心電図同時記録ではQRSが同期しており, 心断層エコーで心房2, 房室弁3, 心室腔3, 半月弁4を有する結合心と診断した. 分離手術は行えず, 生後30時間で死亡した. 剖検によると, 第1児は, 大動脈弁下円錐を伴う{S, L, D} malposition, ASD, PDAがあり, 第II児は両側円錘を伴う{I, D, D} transposition, multiple VSD, ASD, isthmic hypoplasia, PDA, 半奇静脈結合を伴うIVC欠損があった. 双方の心臓は, 心嚢を共有し, 解剖学的右房, 左房, 右室流入路...

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Veröffentlicht in:日本小児循環器学会雑誌 1985-03, Vol.1 (1), p.43-51
Hauptverfasser: 西畠信, 康井制洋, 宮沢要一郎, 宝田正志, 後藤彰子, 安藤正彦
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「要旨」 胸腹結合体の1例を経験した. 心電図同時記録ではQRSが同期しており, 心断層エコーで心房2, 房室弁3, 心室腔3, 半月弁4を有する結合心と診断した. 分離手術は行えず, 生後30時間で死亡した. 剖検によると, 第1児は, 大動脈弁下円錐を伴う{S, L, D} malposition, ASD, PDAがあり, 第II児は両側円錘を伴う{I, D, D} transposition, multiple VSD, ASD, isthmic hypoplasia, PDA, 半奇静脈結合を伴うIVC欠損があった. 双方の心臓は, 心嚢を共有し, 解剖学的右房, 左房, 右室流入路が心内の明らかな境界なく相互に結合し, 左室は前壁が結合してECD様のcrestを形成していた. このような結合様式から, primary heart tubeが, atrium, primitive ventricleで結合した後に心室のループが開始したことにより心房位, 心室ループが鏡像的な結合心を生じたと推定される.
ISSN:0911-1794