中枢性障害について

「はじめに」めまいの診察で最も重要なことは中枢性めまい, 特に脳卒中など「危険なめまい」を鑑別することである. 中枢性めまいの急性期には眼振, 異常眼球運動以外の神経所見に異常を認めないことも少なくなく, 眼振, 異常眼球運動は, 中枢性めまいを鑑別するための最も重要な手がかりとなる. 眼振の機序を理解することは, 病巣部位を推定し, 中枢末梢の鑑別にも役立つ. 本稿では中枢性めまいを疑う所見として, 注視方向性眼振, 垂直性眼振(上眼瞼向き眼振, 下眼瞼向き眼振), 方向交代性上向性眼振を呈した症例を呈示し, それぞれの眼振の機序について概説する. 眼振は赤外線CCDカメラの眼球運動を動画記...

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Veröffentlicht in:Equilibrium Research 2023/04/30, Vol.82(2), pp.114-119
1. Verfasser: 小川, 恭生
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「はじめに」めまいの診察で最も重要なことは中枢性めまい, 特に脳卒中など「危険なめまい」を鑑別することである. 中枢性めまいの急性期には眼振, 異常眼球運動以外の神経所見に異常を認めないことも少なくなく, 眼振, 異常眼球運動は, 中枢性めまいを鑑別するための最も重要な手がかりとなる. 眼振の機序を理解することは, 病巣部位を推定し, 中枢末梢の鑑別にも役立つ. 本稿では中枢性めまいを疑う所見として, 注視方向性眼振, 垂直性眼振(上眼瞼向き眼振, 下眼瞼向き眼振), 方向交代性上向性眼振を呈した症例を呈示し, それぞれの眼振の機序について概説する. 眼振は赤外線CCDカメラの眼球運動を動画記録し, NIH Imageを用いた簡易眼球運動画像解析法にて2次元解析を行った. 「症例呈示」(1)注視方向性眼振 症例50歳代 男性 主訴:めまい, ふらつき 家族歴・既往歴:特記すべき事項なし
ISSN:0385-5716
1882-577X
DOI:10.3757/jser.82.114