上方注視眼振など様々な ENG 所見を認めた小脳原発悪性リンパ腫例

「はじめに」中枢神経系原発悪性リンパ腫(primary central nervous system lymphoma:PCNSL)は, 中枢神経系(脳, 脊髄, 髄膜, 眼球)に発生する非Hodgkinリンパ腫で, 全身リンパ節から発生する悪性リンパ腫とは区別される. PCNSLは, 極めて稀な疾患で全脳腫瘍の2~6%, 非Hodgkinリンパ腫の1~2%に過ぎない. 好発年齢は60歳台, 性差はやや男性に多くみられ, 近年増加傾向がみられる. PCNSL中, 80%以上が大脳に発生し前頭葉・基底核・頭頂葉に多く, 小脳・脳幹は各々6%前後と頻度的にも極めて少なく稀な病態である. 尚, 生命...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:Equilibrium Research 2022/12/31, Vol.81(6), pp.517-525
Hauptverfasser: 横田, 淳一, 井下, 綾子, 猪股, 敦子
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:「はじめに」中枢神経系原発悪性リンパ腫(primary central nervous system lymphoma:PCNSL)は, 中枢神経系(脳, 脊髄, 髄膜, 眼球)に発生する非Hodgkinリンパ腫で, 全身リンパ節から発生する悪性リンパ腫とは区別される. PCNSLは, 極めて稀な疾患で全脳腫瘍の2~6%, 非Hodgkinリンパ腫の1~2%に過ぎない. 好発年齢は60歳台, 性差はやや男性に多くみられ, 近年増加傾向がみられる. PCNSL中, 80%以上が大脳に発生し前頭葉・基底核・頭頂葉に多く, 小脳・脳幹は各々6%前後と頻度的にも極めて少なく稀な病態である. 尚, 生命予後は, 近年, ゲノム解析による病態理解も進み分子標的薬rituximabを基本に取り入れたR-CHOP(rituximab, cyclophosphamide, doxorubicin, vincristine, predonisolone)療法なども導入され改善傾向はみられるが, 平均生存期間17~45カ月と依然として不良である.
ISSN:0385-5716
1882-577X
DOI:10.3757/jser.81.517