慢性めまい症状およびフレイルに対して, 運動療法と生活指導の併用により改善を認めた一症例の報告
「緒言」めまい症状に対する治療として, Epley法(頭位変換)や, 回転刺激・外乱刺激の反復を含むバランス練習などを取り入れた前庭リハビリテーション(以下, リハ)の有効性が報告されている. しかしめまいの中には, 前庭機能低下や神経学的所見を伴わず治療に難渋する心因性めまいも約5~30%含まれると考えられており, 心因性めまいに対しては, 精神・社会機能改善や生活環境における行動変容を目的とした認知行動療法(CBT; Cognitive Behavior Therapy)の有効性も示唆されている. 長期間にわたる慢性のめまい症状やそれに伴う不安感を主訴とする症例は心因性めまいを有する割合が...
Gespeichert in:
Veröffentlicht in: | Equilibrium Research 2021/04/30, Vol.80(2), pp.104-111 |
---|---|
Hauptverfasser: | , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | 「緒言」めまい症状に対する治療として, Epley法(頭位変換)や, 回転刺激・外乱刺激の反復を含むバランス練習などを取り入れた前庭リハビリテーション(以下, リハ)の有効性が報告されている. しかしめまいの中には, 前庭機能低下や神経学的所見を伴わず治療に難渋する心因性めまいも約5~30%含まれると考えられており, 心因性めまいに対しては, 精神・社会機能改善や生活環境における行動変容を目的とした認知行動療法(CBT; Cognitive Behavior Therapy)の有効性も示唆されている. 長期間にわたる慢性のめまい症状やそれに伴う不安感を主訴とする症例は心因性めまいを有する割合が高く, さらに二次的にフレイルの状態となっている場合が多いと考えられ, めまい症状改善のみを目的とした介入だけでは対象者の持つ問題点を解決できない可能性がある. フレイルとは, 加齢に伴う予備能力低下のため, ストレスに対する回復力が低下した状態を指し, 要介護状態に至る前段階と位置付けられている. |
---|---|
ISSN: | 0385-5716 1882-577X |
DOI: | 10.3757/jser.80.104 |