低侵襲人工内耳埋め込み術後の前庭機能について
「緒言」これまで, 人工内耳埋め込み術(Cochlear Implant; CI)によるめまい症状や前庭障害については様々な報告がなされている. 人工内耳電極を蝸牛に挿入することで, 内耳の構造・機能に変化が起こり, 急性内耳炎などの症状がおこる可能性が考えられる. Ilberg らが低音部のみに残聴がある症例に対し, 中・高音部を電気刺激し, 残聴のある低音部を温存するために人工内耳の電極を部分挿入にとどめる手術法を初めて試みた. この報告をきっかけにCIは残存聴力を温存するために, 人工内耳の電極の開発や手術方法の工夫が試みられ, より低侵襲な手術が行われるようになった. しばしば, 蝸牛...
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Veröffentlicht in: | Equilibrium Research 2021/02/28, Vol.80(1), pp.31-40 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「緒言」これまで, 人工内耳埋め込み術(Cochlear Implant; CI)によるめまい症状や前庭障害については様々な報告がなされている. 人工内耳電極を蝸牛に挿入することで, 内耳の構造・機能に変化が起こり, 急性内耳炎などの症状がおこる可能性が考えられる. Ilberg らが低音部のみに残聴がある症例に対し, 中・高音部を電気刺激し, 残聴のある低音部を温存するために人工内耳の電極を部分挿入にとどめる手術法を初めて試みた. この報告をきっかけにCIは残存聴力を温存するために, 人工内耳の電極の開発や手術方法の工夫が試みられ, より低侵襲な手術が行われるようになった. しばしば, 蝸牛保護のためにステロイドが投与されているが, 当科では前庭保護にも役立つと考え, 残存聴力の程度に関わらず手術症例全てにおいてステロイドの投与を術中及び術後に行っている. |
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ISSN: | 0385-5716 1882-577X |
DOI: | 10.3757/jser.80.31 |