めまいを主訴とした内耳梅毒の1例

「緒言」梅毒は梅毒トレポネーマ(Treponema pallidum, Tp)による性感染症である. ペニシリンの普及に伴い罹患数は減少傾向にあったが, 近年国内で罹患数の著しい増加が問題となっている. 内耳梅毒は神経梅毒により内耳や第VIII脳神経が侵された病態で, 難聴やめまいの原因疾患の一つである. 今回我々は, 難聴を認めない, めまいを主訴とした非常に稀な内耳梅毒症例を経験したため報告する. 「症例」56歳男性. 「主訴」ふらつき, 回転性めまい. 「現病歴」201X年Y月初旬よりめまい, ふらつき症状が出現した. 難聴, 耳鳴症状は認めなかった. その後, 症状が増悪傾向となりY月...

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Veröffentlicht in:Equilibrium Research 2019/06/30, Vol.78(3), pp.185-191
Hauptverfasser: 滝本, 泰光, 今井, 貴夫, 山戸, 彰行, 増村, 千佐子, 原, 斉
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「緒言」梅毒は梅毒トレポネーマ(Treponema pallidum, Tp)による性感染症である. ペニシリンの普及に伴い罹患数は減少傾向にあったが, 近年国内で罹患数の著しい増加が問題となっている. 内耳梅毒は神経梅毒により内耳や第VIII脳神経が侵された病態で, 難聴やめまいの原因疾患の一つである. 今回我々は, 難聴を認めない, めまいを主訴とした非常に稀な内耳梅毒症例を経験したため報告する. 「症例」56歳男性. 「主訴」ふらつき, 回転性めまい. 「現病歴」201X年Y月初旬よりめまい, ふらつき症状が出現した. 難聴, 耳鳴症状は認めなかった. その後, 症状が増悪傾向となりY月29日に市立吹田市民病院神経内科を受診し血液検査, 髄液検査で神経梅毒と診断された. Y+1月14日精査加療目的で同院神経内科入院となった. Y+1月15日に平衡機能精査依頼目的で同院耳鼻咽喉科を紹介受診した. 「既往歴」40歳: 梅毒感染に対して内服加療を受けたが自己判断で治療を中断していた.
ISSN:0385-5716
1882-577X
DOI:10.3757/jser.78.185