10. 聴神経腫瘍: 診断と治療の変遷
「はじめに」聴神経腫瘍は第8脳神経に発生する良性の神経原性腫瘍で, 大部分は前庭神経を起源とする. 一側の難聴と耳鳴, めまいを初発症状とし, 腫瘍の増大とともに近接する顔面神経や三叉神経の麻痺が発症する. しかし, 近年MRIの普及により, 内耳道内に限局する小聴神経腫瘍が発見されるようになり, 正常聴力や変動する難聴, 突発難聴で発症する症例など, 初期症状は多彩であることが明らかになってきた. このように多彩な神経耳科症状を呈することから, 耳鼻咽喉科医は長年に亘って聴神経腫瘍の診断から治療まで幅広くかかわってきた. しかし, MRIなどの画像診断の進歩やガンマナイフのような新規治療機器...
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Veröffentlicht in: | Equilibrium Research 2019/06/30, Vol.78(3), pp.148-156 |
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Hauptverfasser: | , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「はじめに」聴神経腫瘍は第8脳神経に発生する良性の神経原性腫瘍で, 大部分は前庭神経を起源とする. 一側の難聴と耳鳴, めまいを初発症状とし, 腫瘍の増大とともに近接する顔面神経や三叉神経の麻痺が発症する. しかし, 近年MRIの普及により, 内耳道内に限局する小聴神経腫瘍が発見されるようになり, 正常聴力や変動する難聴, 突発難聴で発症する症例など, 初期症状は多彩であることが明らかになってきた. このように多彩な神経耳科症状を呈することから, 耳鼻咽喉科医は長年に亘って聴神経腫瘍の診断から治療まで幅広くかかわってきた. しかし, MRIなどの画像診断の進歩やガンマナイフのような新規治療機器の出現により, 耳鼻咽喉科医の聴神経腫瘍に対する役割は変わりつつあるのが現状である. 本項では聴神経腫瘍の早期診断と筆者が30年間かかわってきた聴神経腫瘍の治療の変遷について紹介し, 将来の耳鼻咽喉科医の役割について私見を述べる. |
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ISSN: | 0385-5716 1882-577X |
DOI: | 10.3757/jser.78.148 |