内耳保護を目標とした薬物スクリーニング研究
「はじめに」内耳の有毛細胞は, アミノグリコシド, 感染, 虚血など様々な刺激により容易に障害される. 障害された有毛細胞は哺乳動物では再生しないことが知られており, 生じる機能障害 (聴覚障害および前庭機能障害) は終生持続する. よって, 有毛細胞を保護し, 障害を防ぐことは臨床的に重要と考えられる. これまでも有毛細胞を保護できる可能性のある物質が研究されているが, より多くの物質について薬剤スクリーニングを行うことで, 有効な物質が見つかることが期待される. 我々は, 有毛細胞障害のメカニズムを解明すると同時に, 有毛細胞を保護する薬物を同定するべく, マウス卵形嚢培養細胞を用いた薬剤...
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Veröffentlicht in: | Equilibrium Research 2019/04/30, Vol.78(2), pp.102-105 |
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Hauptverfasser: | , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「はじめに」内耳の有毛細胞は, アミノグリコシド, 感染, 虚血など様々な刺激により容易に障害される. 障害された有毛細胞は哺乳動物では再生しないことが知られており, 生じる機能障害 (聴覚障害および前庭機能障害) は終生持続する. よって, 有毛細胞を保護し, 障害を防ぐことは臨床的に重要と考えられる. これまでも有毛細胞を保護できる可能性のある物質が研究されているが, より多くの物質について薬剤スクリーニングを行うことで, 有効な物質が見つかることが期待される. 我々は, 有毛細胞障害のメカニズムを解明すると同時に, 有毛細胞を保護する薬物を同定するべく, マウス卵形嚢培養細胞を用いた薬剤スクリーニング研究を行っている. また, 最近ではゼブラフィッシュ側線器有毛細胞を用いたスクリーニング研究を発展させている. 本稿では, 当施設で行っている薬剤スクリーニング研究について紹介する. 「マウス卵形嚢器官培養」哺乳動物の内耳は側頭骨の深部に存在するが, この解剖学的な位置関係が研究を進める上での障壁となる. |
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ISSN: | 0385-5716 1882-577X |
DOI: | 10.3757/jser.78.102 |