熊本県耳鼻咽喉科における地震後めまい調査についての報告
「緒言」2016年4月14日21時, 熊本県在住の我々は震度7, 16日未明に震度7の内陸型地震に見舞われた. 余震回数 (M3.5以上) は, 1995年以降で最多であり, 2018年現在も余震は持続している. 大きな地震の後に, めまい患者が増加することは以前より報告されている. これまでは, この事象のことについて, 主にウェブ上で「地震酔い」として表現されてはいるものの (wikipedia, デジタル大辞典, 知恵蔵mini), 明瞭に定義した報告はなく, その実態は未だ明らかではない. 地震後のめまいの中には, (1) 実際には揺れていないのに, あたかも揺れたように自覚するめまい...
Gespeichert in:
Veröffentlicht in: | Equilibrium Research 2019/04/30, Vol.78(2), pp.93-101 |
---|---|
Hauptverfasser: | , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | 「緒言」2016年4月14日21時, 熊本県在住の我々は震度7, 16日未明に震度7の内陸型地震に見舞われた. 余震回数 (M3.5以上) は, 1995年以降で最多であり, 2018年現在も余震は持続している. 大きな地震の後に, めまい患者が増加することは以前より報告されている. これまでは, この事象のことについて, 主にウェブ上で「地震酔い」として表現されてはいるものの (wikipedia, デジタル大辞典, 知恵蔵mini), 明瞭に定義した報告はなく, その実態は未だ明らかではない. 地震後のめまいの中には, (1) 実際には揺れていないのに, あたかも揺れたように自覚するめまい, (2) 前庭疾患の既往があり, 増悪・再燃するめまい, (3) 新たに発症する前庭疾患によるめまいの3タイプが考えられる. (1) については2014年に野村らが, 地震後めまい症候群 (Post-earthquake dizziness syndrome ; PEDS) として報告しているが, (2) (3) については良性発作性頭位めまい症 (Benign paroxysmal positional vertigo ; BPPV) の増加についての報告のみであり, 前庭疾患と地震後めまいの関係性については未だ明らかとされていない. |
---|---|
ISSN: | 0385-5716 1882-577X |
DOI: | 10.3757/jser.78.93 |