めまい症状を伴った Opalski 症候群2症例の神経耳科学的検討

「はじめに」 Opalski症候群は, 同側性に片麻痺症状を呈することを特徴とする延髄外側症候群variantであるが, 文献的にも報告例は極めて少ない. 機序としては, 主に椎骨動脈閉塞(一部, 後下小脳動脈を含む場合もある)によって延髄下端~上部頸髄の錐体交叉より尾側に梗塞巣が及び交叉後の錐体路が障害されるために同側性に片麻痺が生じると考えられている. ところで, 延髄外側症候群の中でもWallenberg症候群では多彩な異常眼運動が認められることが多いが, 一方, 本症候群のめまい症状や異常眼球運動に関する記載や報告は極めて稀である. そこで, 今回, Opalski症候群と共にめまい症...

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Veröffentlicht in:Equilibrium Research 2016/02/26, Vol.75(1), pp.7-15
Hauptverfasser: 横田, 淳一, 太田, 康, 矢部, 多加夫, 霜田, 里絵
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「はじめに」 Opalski症候群は, 同側性に片麻痺症状を呈することを特徴とする延髄外側症候群variantであるが, 文献的にも報告例は極めて少ない. 機序としては, 主に椎骨動脈閉塞(一部, 後下小脳動脈を含む場合もある)によって延髄下端~上部頸髄の錐体交叉より尾側に梗塞巣が及び交叉後の錐体路が障害されるために同側性に片麻痺が生じると考えられている. ところで, 延髄外側症候群の中でもWallenberg症候群では多彩な異常眼運動が認められることが多いが, 一方, 本症候群のめまい症状や異常眼球運動に関する記載や報告は極めて稀である. そこで, 今回, Opalski症候群と共にめまい症状や著明な注視眼振の観察された延髄外側梗塞2症例を経験したので, 眼振図(ENG)検査所見を中心に神経耳科学的検討を行ったので報告する. 「症例」 [症例1] 62歳, 男性 既往歴 高血圧症, 脂質異常症
ISSN:0385-5716
1882-577X
DOI:10.3757/jser.75.7