頭位性めまいが主訴であった転移性小脳腫瘍の一例

「はじめに」めまい疾患の中で末梢性のめまいが占める割合は高く, 特に良性発作性頭位めまい症は一般家庭医や総合医にも近年その疾患概念が広く認識されるようになった. 一方で, 一般家庭医や総合医はめまい患者の診察に際して眼振検査や聴力検査などはおこなわずに, 問診で頭位を変えた時に生じるめまいという患者の訴えを聞けば, 安易に良性発作性頭位めまい症と診断してしまう可能性がある. しかしあたかも内耳性めまいのような症状を呈する症例の中にも中枢性病変が認められることがあり, めまい患者の診察に際しては詳細な問診と注意深い神経耳科学的検査を行うことが重要である. 今回我々は起床時の頭位性めまいを主訴に受...

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Veröffentlicht in:Equilibrium Research 2013, Vol.72(2), pp.78-82
Hauptverfasser: 三浦, 正稔, 野村, 泰之, 戸井, 輝夫, 池田, 篤生, 増田, 毅, 鴫原, 俊太郎, 斎藤, 雄一郎, 池田, 稔
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「はじめに」めまい疾患の中で末梢性のめまいが占める割合は高く, 特に良性発作性頭位めまい症は一般家庭医や総合医にも近年その疾患概念が広く認識されるようになった. 一方で, 一般家庭医や総合医はめまい患者の診察に際して眼振検査や聴力検査などはおこなわずに, 問診で頭位を変えた時に生じるめまいという患者の訴えを聞けば, 安易に良性発作性頭位めまい症と診断してしまう可能性がある. しかしあたかも内耳性めまいのような症状を呈する症例の中にも中枢性病変が認められることがあり, めまい患者の診察に際しては詳細な問診と注意深い神経耳科学的検査を行うことが重要である. 今回我々は起床時の頭位性めまいを主訴に受診した, 乳癌からの転移性小脳腫瘍症例を経験したので報告する. 「症例」症例:58歳, 女性 主訴:起床時の頭位性回転性めまい 既往歴:右乳癌術後T1a N0M0(50歳時), 肺転移(54歳時から化学療法を施行中)現病歴:平成19年4月より, 朝起き上がる際に頭を動かすと生じる回転性めまいを自覚するようになった.
ISSN:0385-5716
1882-577X
DOI:10.3757/jser.72.78