一側性メニエール病症例が両側性に移行する要因についての検討

[緒言] メニエール病は難聴, 耳鳴を伴うめまいを反復する疾患で, その本態は内耳における内リンパの産生あるいは分泌過剰, 吸収障害などによって生じる内リンパ水腫であると考えられている1)2). メニエール病は主に病歴から診断される. すなわち, 難聴, 耳鳴を伴って10分ないし数時間持続するめまい発作を反復し, これらの症状をきたす中枢疾患, 原因既知のめまい, 難聴を主訴とする疾患が除外された場合にメニエール病(確実例)と診断される3). 多くの場合, 病初期には左右いずれかを患耳とする一側性メニエール病であるが4)5), 10-40%程度の症例が両側性メニエール病に移行すると報告されてい...

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Veröffentlicht in:Equilibrium Research 2013, Vol.72(1), pp.37-46
Hauptverfasser: 牛尾, 宗貴, 岩崎, 真一, 江上, 直也, 菅澤, 恵子, 井上, 亜希, 木下, 淳, 千原, 康裕, 藤本, 千里, 室伏, 利久, 山岨, 達也
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Zusammenfassung:[緒言] メニエール病は難聴, 耳鳴を伴うめまいを反復する疾患で, その本態は内耳における内リンパの産生あるいは分泌過剰, 吸収障害などによって生じる内リンパ水腫であると考えられている1)2). メニエール病は主に病歴から診断される. すなわち, 難聴, 耳鳴を伴って10分ないし数時間持続するめまい発作を反復し, これらの症状をきたす中枢疾患, 原因既知のめまい, 難聴を主訴とする疾患が除外された場合にメニエール病(確実例)と診断される3). 多くの場合, 病初期には左右いずれかを患耳とする一側性メニエール病であるが4)5), 10-40%程度の症例が両側性メニエール病に移行すると報告されている6)~8). メニエール病の治療としては生活指導や利尿剤投与などの保存的治療が第一選択となるが, これらが有効でない一側性メニエール病症例に対しては, ゲンタマイシン鼓室内投与や前庭神経切断術などの破壊的治療, あるいは内リンパ嚢開放術が選択肢にあがる.
ISSN:0385-5716
1882-577X
DOI:10.3757/jser.72.37