うつとめまい

[はじめに]自殺者は1998年以降, 年間3万人を超えており1), うつ病は自殺の最多原因である. うつ病患者の初診科は内科64.7%, 婦人科9.5%, 脳外科8.4%, 精神科5.6%, 心療内科3.8%, 耳鼻咽喉科3.8%, 形成外科2.8%, その他1.4% 2)であった. また, 自殺した人の半数以上は, 自殺を実行する1カ月以内に何らかの身体症状を訴えて, 精神科以外の医療機関を受診しており, 自殺予防について, 精神科医だけでなく, 医師一般が果たす役割もきわめて大きい3). その中で, めまいが前面にたつうつ病がある4). うつ病のめまいの性状は, ふらつき, 浮動感, 眼前...

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Veröffentlicht in:Equilibrium Research 2010, Vol.69(4), pp.236-239
1. Verfasser: 犬飼, 賢也
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:[はじめに]自殺者は1998年以降, 年間3万人を超えており1), うつ病は自殺の最多原因である. うつ病患者の初診科は内科64.7%, 婦人科9.5%, 脳外科8.4%, 精神科5.6%, 心療内科3.8%, 耳鼻咽喉科3.8%, 形成外科2.8%, その他1.4% 2)であった. また, 自殺した人の半数以上は, 自殺を実行する1カ月以内に何らかの身体症状を訴えて, 精神科以外の医療機関を受診しており, 自殺予防について, 精神科医だけでなく, 医師一般が果たす役割もきわめて大きい3). その中で, めまいが前面にたつうつ病がある4). うつ病のめまいの性状は, ふらつき, 浮動感, 眼前暗黒感で持続性, 誘因はなく, 随伴する症状は抑うつ, 不眠, 頭痛である5). 仮面うつ病の人が訴える主な症状のうち, めまい感は4%であった6). すなわち, めまいを訴えて受診した患者の中にうつ病が隠れていないか, 注意して診察する必要がある.
ISSN:0385-5716
1882-577X
DOI:10.3757/jser.69.236