頭位めまいにより発症した脊髄小脳変性症例

「はじめに」頭位めまいを主要症状とする疾患は多数存在するが, 発生頻度の高い末梢性めまい疾患としては良性発作性頭位めまい症(BPPV)が挙げられる. 一方, 中枢性疾患群にも頭位めまいを呈するとされる疾患があり, その一つとして脊髄小脳変性症(SCA)がある. 脊髄小脳変性症は小脳や脊髄に変性病変をきたす, 一群の系統変性疾患の総称であり, 日本での推定患者数は約2万人であり, 成年発症例が多いとされている. その約60%は非遺伝性の多系統萎縮症(MCA)であり, Shy-Drager Symdrome(SDS)・オリーブ橋小脳萎縮症(OPCA)・線状体黒質変性症(SND)が含まれる. 一方,...

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Veröffentlicht in:めまい平衡医学 2004-06, Vol.63 (3), p.242-246
Hauptverfasser: 山本秀文, 角南貴司子, 栩野理恵, 頭司隆史, 住松律子, 山根英雄, 蔦田強司
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「はじめに」頭位めまいを主要症状とする疾患は多数存在するが, 発生頻度の高い末梢性めまい疾患としては良性発作性頭位めまい症(BPPV)が挙げられる. 一方, 中枢性疾患群にも頭位めまいを呈するとされる疾患があり, その一つとして脊髄小脳変性症(SCA)がある. 脊髄小脳変性症は小脳や脊髄に変性病変をきたす, 一群の系統変性疾患の総称であり, 日本での推定患者数は約2万人であり, 成年発症例が多いとされている. その約60%は非遺伝性の多系統萎縮症(MCA)であり, Shy-Drager Symdrome(SDS)・オリーブ橋小脳萎縮症(OPCA)・線状体黒質変性症(SND)が含まれる. 一方, 残りの中で約30%は遺伝性であり, その多くが優性遺伝性疾患で占められている. 我が国では優性遺伝性皮質性小脳萎縮症の過半数はSCA type 6であると推定されている1). 今回われわれは, 頭位めまいを初発症状とし, 経過観察中に脊髄小脳変性症(MSA type)と診断するに至った症例を経験したので報告する.
ISSN:0385-5716