手動回転に対する前庭眼反射検査装置(ニスタモ21(R))の使用経験 ―カロリックテストとの比較

「はじめに」日常のめまい診療において行われる平衡機能評価は, 眼振検査や視標追跡検査など定性的な検査がほとんどで, 温度眼振検査(カロリック検査)や回転検査などの定量的検査は時間的制約から予約制となり, 頻回に行えるものではなかった. ハーフミラーを内蔵した赤外線フレンツェル眼鏡に小型角速度センサーとFM変復調器を組み合わせ, 眼球運動と頭部角速度を同時に記録できるニスタモ21(R)(IRN-2, モリタ製作所(株), 京都)は, 暗所開眼時の手動回転に対する前庭眼反射(VOR; vestibulo-ocular reflex)を解析することにより末梢前庭機能を日常診察中に簡単かつ短時間で評価...

Ausführliche Beschreibung

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:めまい平衡医学 2004-02, Vol.63 (1), p.22-27
Hauptverfasser: 塩見洋作, 山本悦生, 塩見佳子, 小田直治, 藤原美津子, 藤原敬三, 渡辺太志, 菊地正弘
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「はじめに」日常のめまい診療において行われる平衡機能評価は, 眼振検査や視標追跡検査など定性的な検査がほとんどで, 温度眼振検査(カロリック検査)や回転検査などの定量的検査は時間的制約から予約制となり, 頻回に行えるものではなかった. ハーフミラーを内蔵した赤外線フレンツェル眼鏡に小型角速度センサーとFM変復調器を組み合わせ, 眼球運動と頭部角速度を同時に記録できるニスタモ21(R)(IRN-2, モリタ製作所(株), 京都)は, 暗所開眼時の手動回転に対する前庭眼反射(VOR; vestibulo-ocular reflex)を解析することにより末梢前庭機能を日常診察中に簡単かつ短時間で評価でき1)2), またフレンツェル上面のふたを開き(図1), 視標を注視させた状態でのVORと暗所開眼でのVORを比較することにより視・前庭相互作用も定量的に検査でき, これにより小脳障害例における固視抑制(VS; visual suppression)の障害を効率よく検出できるとされる3).
ISSN:0385-5716