二形性真菌Mucor sp.によるキャビア汚染事例
「緒言」真菌の中には環境条件により, 菌糸形と酵母形の両方の発育形態を示す(= 二形性dimorphism)菌種がある. Talaromyces marneffei, Blastomyces dermatitidis, Coccidioides immitisなどの病原真菌は感染したヒトの体内では酵母形で増殖することが知られており, Mucor属では, Mucor circinelloidesが免疫不全の患者の血液から酵母形で検出された事例が報告されている. このように, 二形成真菌については感染症事例の報告が多く, 食品汚染事例の報告はほとんどなかったが, 近年, 2013年に米国アイホダ州...
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Veröffentlicht in: | 日本食品微生物学会雑誌 2022/09/30, Vol.39(3), pp.108-113 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「緒言」真菌の中には環境条件により, 菌糸形と酵母形の両方の発育形態を示す(= 二形性dimorphism)菌種がある. Talaromyces marneffei, Blastomyces dermatitidis, Coccidioides immitisなどの病原真菌は感染したヒトの体内では酵母形で増殖することが知られており, Mucor属では, Mucor circinelloidesが免疫不全の患者の血液から酵母形で検出された事例が報告されている. このように, 二形成真菌については感染症事例の報告が多く, 食品汚染事例の報告はほとんどなかったが, 近年, 2013年に米国アイホダ州で大規模なギリシャヨーグルトの汚染事件が発生したことが報告された. カビ汚染の報道を機に200人以上の摂食者が胃腸炎症状(悪心, 嘔吐, 下痢)を訴えたため, 製造者は約1ヵ月間分の製品を全面回収した. |
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ISSN: | 1340-8267 1882-5982 |
DOI: | 10.5803/jsfm.39.108 |