食中毒の原因となる水産物の寄生虫

「1. はじめに」近年, 生鮮魚介類を喫食して食中毒に罹ったというマスコミ報道が相次ぎ, 一般の鮮魚店やスーパーにおいて消費が急激に落ち込むという現象があった. その最たるものは, アニサキス症であろう. 2017年頃, 多数の芸能人が寿司や生魚を食べてアニサキス症に罹ったという体験談が紹介され, さらに2018年にはカツオが原因食品別の件数で急増したという報道により世間の関心が高まった. 同時に, アニサキスが食中毒の原因物質別で第1位にもなったことは, 一部の医療関係者を驚かせたようである. しかし, 海産魚におけるアニサキス寄生は自然界で普通のことであり, 現在, 「アニサキス症」として...

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Veröffentlicht in:日本食品微生物学会雑誌 2021/12/31, Vol.38(4), pp.139-143
1. Verfasser: 横山, 博
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「1. はじめに」近年, 生鮮魚介類を喫食して食中毒に罹ったというマスコミ報道が相次ぎ, 一般の鮮魚店やスーパーにおいて消費が急激に落ち込むという現象があった. その最たるものは, アニサキス症であろう. 2017年頃, 多数の芸能人が寿司や生魚を食べてアニサキス症に罹ったという体験談が紹介され, さらに2018年にはカツオが原因食品別の件数で急増したという報道により世間の関心が高まった. 同時に, アニサキスが食中毒の原因物質別で第1位にもなったことは, 一部の医療関係者を驚かせたようである. しかし, 海産魚におけるアニサキス寄生は自然界で普通のことであり, 現在, 「アニサキス症」として把握されているのは氷山の一角に過ぎないとも言われている. また, この件数1位という点は, 近年の法改正によりアニサキスも食中毒病因物質として報告義務が生じるようになったこととも大いに関係している.
ISSN:1340-8267
1882-5982
DOI:10.5803/jsfm.38.139