宮城県における野生動物,ブタおよび流入下水におけるE型肝炎ウイルスの浸淫状況

「緒言」E型肝炎は, E型肝炎ウイルス(Hepatitis E virus以下, HEV)に汚染された水や食品などを介して感染する疾患である. 国内では2003年以降, ブタやイノシシ, シカ肉やそれらの副産物を喫食して感染した事例が相次いで報告され, 現在ではHEVは人獣共通感染症として注目されている. 近年, イノシシやシカなどの野生動物による農作物への被害の拡大に伴い, 駆除した野生動物の利活用が全国的に推進されている. その一環として野生動物を喫食する機会も増えており, 加熱不十分な肉を喫食することによるHEV感染が懸念される. そのような状況を背景に2015年6月に食品衛生法でブタの...

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Veröffentlicht in:日本食品微生物学会雑誌 2019/12/30, Vol.36(4), pp.159-164
Hauptverfasser: 佐々木, 美江, 小泉, 光, 生島, 詩織, 菅原, 直子, 植木, 洋, 畠山, 敬, 上間, 匡
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:「緒言」E型肝炎は, E型肝炎ウイルス(Hepatitis E virus以下, HEV)に汚染された水や食品などを介して感染する疾患である. 国内では2003年以降, ブタやイノシシ, シカ肉やそれらの副産物を喫食して感染した事例が相次いで報告され, 現在ではHEVは人獣共通感染症として注目されている. 近年, イノシシやシカなどの野生動物による農作物への被害の拡大に伴い, 駆除した野生動物の利活用が全国的に推進されている. その一環として野生動物を喫食する機会も増えており, 加熱不十分な肉を喫食することによるHEV感染が懸念される. そのような状況を背景に2015年6月に食品衛生法でブタの食肉(内蔵を含む. )の生食用としての販売・提供を禁止することとなったが, その一方で依然としてE型肝炎の患者報告数は増加傾向にあり, 原因の特定が喫緊の課題となっている.
ISSN:1340-8267
1882-5982
DOI:10.5803/jsfm.36.159