カット野菜の安全性と微生物制御技術

「はじめに」 日本のカット野菜の販売額は, 推定値で1996年の約800億円から2006年の約1,500億円に増加したとされ, 一方, 米国の販売額は1996年の70億ドルから2006年には130億ドルに増加したと推定されている. カット野菜の発祥地であり, 日本の約10倍の生産量を有している米国では, カット野菜の品質保持を目的として, 徹底した低温管理とフィルム包装技術を発展させてきた. しかしながら, 1995年ころから米国を中心に, 野菜あるいはカット野菜が原因と疑われる食性疾患が急増し39), これらの食品の微生物学的安全性に関する研究が重要視されるようになった. 現在, 米国が作成...

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Veröffentlicht in:日本食品微生物学会雑誌 2009/07/31, Vol.26(2), pp.60-67
1. Verfasser: 泉, 秀実
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「はじめに」 日本のカット野菜の販売額は, 推定値で1996年の約800億円から2006年の約1,500億円に増加したとされ, 一方, 米国の販売額は1996年の70億ドルから2006年には130億ドルに増加したと推定されている. カット野菜の発祥地であり, 日本の約10倍の生産量を有している米国では, カット野菜の品質保持を目的として, 徹底した低温管理とフィルム包装技術を発展させてきた. しかしながら, 1995年ころから米国を中心に, 野菜あるいはカット野菜が原因と疑われる食性疾患が急増し39), これらの食品の微生物学的安全性に関する研究が重要視されるようになった. 現在, 米国が作成し実践する生鮮野菜の衛生管理法Good Agricultural Practices(GAP)1)やカット野菜の衛生管理法Hazard Analysis and Critical Control Point(HACCP)2)も参考にしながら, 日本でも科学的なデータに基づく衛生管理法を確立することが必要とされている.
ISSN:1340-8267
1882-5982
DOI:10.5803/jsfm.26.60