ヒトおよび動物の鼻腔におけるエンテロトキシン産生・メチシリン耐性黄色ブドウ球菌の保菌状況と分離株の性状

「要約」 ヒトおよび動物の鼻腔における黄色ブドウ球菌の保菌状況を調査し, SE産生黄色ブドウ球菌とMRSAの出現および分離株の性状について検討した. 1. 黄色ブドウ球菌の鼻腔保菌率はヒト42.7%(38/89), ブタ86.4%(57/66), ウシ19.8%(20/101), トリ9.5%(4/42)であった. 2. SE産生黄色ブドウ球菌はヒト24.7%(22/89)からのみ検出され, SE型はA型8株, B型9株, C型5株であった. 3. SE産生株はすべてHuman生物型で, コ型別ではII型3株, III型3株, IV型9株, VII型5株, VIII型1株, 型別不能1株であっ...

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Veröffentlicht in:日本食品微生物学会雑誌 2008/06/30, Vol.25(2), pp.83-88
Hauptverfasser: 中野, 千紗, 清水, 晃, 河野, 潤一, 北井, 智, 北川, 浩
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「要約」 ヒトおよび動物の鼻腔における黄色ブドウ球菌の保菌状況を調査し, SE産生黄色ブドウ球菌とMRSAの出現および分離株の性状について検討した. 1. 黄色ブドウ球菌の鼻腔保菌率はヒト42.7%(38/89), ブタ86.4%(57/66), ウシ19.8%(20/101), トリ9.5%(4/42)であった. 2. SE産生黄色ブドウ球菌はヒト24.7%(22/89)からのみ検出され, SE型はA型8株, B型9株, C型5株であった. 3. SE産生株はすべてHuman生物型で, コ型別ではII型3株, III型3株, IV型9株, VII型5株, VIII型1株, 型別不能1株であった. 4. se遺伝子保有株はヒト65.8%(25/38), ブタ59.6%(34/57), トリ100%(4/4)で, ウシからは検出されなかった(0/20). 5. ヒト由来25株のse遺伝子はsea8株, seb4株, seb-seg-sei5株, sec-sei4株, sec-seg-sei1株, seg-sei3株で, ブタ由来34株およびトリ由来4株はseg-sei遺伝子を保有していた. 6. MRSAは食品取扱者5名からのみ検出された. 同一施設の3名から分離された3株の表現型性状および遺伝子型性状は2つの表現型性状を除き同一であったことから, この施設内ではMRSAの水平伝播が起こっていた可能性が示唆された.
ISSN:1340-8267
1882-5982
DOI:10.5803/jsfm.25.83