食品業界の従業者健康管理の実態と今後の検査体制の展望

「1. はじめに」 近年, 食の安全が社会問題化するにつれて, 食品取扱従事者の健康管理が重要視されるようになった. 従事者の健康管理の意義としては次の2つが考えられる. 第一は感染症罹患者や健康保菌者を早期発見し, 食品媒介感染症を防止すること. 第二は衛生管理が組織的, 持続的に実施されているかを証明する記録文書の一部として利用され, 主として企業間の食品取引上の条件の1つとされることである. 1996年に全国規模で発生した腸管出血性大腸菌O157食中毒事件以来, 食品取扱従事者の定期検便検査(糞便中の赤痢菌, チフス菌・パラチフス菌を含むサルモネラ属菌, 大腸菌O157, O26, O1...

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Veröffentlicht in:日本食品微生物学会雑誌 2007/03/31, Vol.24(1), pp.25-28
1. Verfasser: 西井, 成樹
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「1. はじめに」 近年, 食の安全が社会問題化するにつれて, 食品取扱従事者の健康管理が重要視されるようになった. 従事者の健康管理の意義としては次の2つが考えられる. 第一は感染症罹患者や健康保菌者を早期発見し, 食品媒介感染症を防止すること. 第二は衛生管理が組織的, 持続的に実施されているかを証明する記録文書の一部として利用され, 主として企業間の食品取引上の条件の1つとされることである. 1996年に全国規模で発生した腸管出血性大腸菌O157食中毒事件以来, 食品取扱従事者の定期検便検査(糞便中の赤痢菌, チフス菌・パラチフス菌を含むサルモネラ属菌, 大腸菌O157, O26, O111などの腸管出血性大腸菌等の検索を目的とした細菌検査)の実施件数が増加し, 特にその傾向は学校給食関連において顕著であった. さらに, 検便検査ではその実施根拠, 実施内容, 陽性結果判明時の対応などが曖昧な部分があり実施にあたって, 検討を必要とする現状にある.
ISSN:1340-8267
1882-5982
DOI:10.5803/jsfm.24.25