化学発光法の原理と自主衛生検査への応用

「はじめに」 食品中の生菌を定量するために, さまざまな測定方法が考案されてきたが, 微小化, 迅速化という方向で高感度な測定技術が開発されている. これまでは寒天培地上に形成されるコロニーが, 目視観察できる大きさになるまで一晩以上要したが, 今では培養初期の目視できないミクロのコロニーを自動計測することができ, 培養時間の短縮が可能になった. また, ろ過膜上に捕捉された菌のRNA/DNAを蛍光染色して, 生菌死菌を識別し, CCDカメラで自動計測することもできる. 同様の染色法で, フローサイトメトリーでも測定できる. このほかに, 菌体内の加水分解酵素の活性を蛍光基質で測定する方法もあ...

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Veröffentlicht in:日本食品微生物学会雑誌 2006-04, Vol.23 (1), p.6-12
Hauptverfasser: 山庄司志朗, 川崎晋, 浅川篤, 川本伸一, 一色賢司
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「はじめに」 食品中の生菌を定量するために, さまざまな測定方法が考案されてきたが, 微小化, 迅速化という方向で高感度な測定技術が開発されている. これまでは寒天培地上に形成されるコロニーが, 目視観察できる大きさになるまで一晩以上要したが, 今では培養初期の目視できないミクロのコロニーを自動計測することができ, 培養時間の短縮が可能になった. また, ろ過膜上に捕捉された菌のRNA/DNAを蛍光染色して, 生菌死菌を識別し, CCDカメラで自動計測することもできる. 同様の染色法で, フローサイトメトリーでも測定できる. このほかに, 菌体内の加水分解酵素の活性を蛍光基質で測定する方法もある. このような平板培地上のコロニー計測, 培養液の濁度測定, RNA/DNAの定量, 加水分解酵素活性の定量は, 生菌量測定には適しているが, 同時に刻々と変化する生菌の代謝活性をリアルタイムで測定することはできない. そこで, 生命維持活動の指標となる代謝活性, とりわけエネルギー代謝(呼吸活性)に着目し, この活性を迅速, 簡便, かつ高感度に測定する方法としてキノン触媒型ルミノール発光(Quinone-Catalyzed Luminol Luminescence, 以下QCLと省略する)が考案された.
ISSN:1340-8267