人類学的フィールドワークに基づいた臨床実習の試み: 目標に収束する教育から, 現場の偶発性をもとに創り出す教育へ

卒前医学教育における臨床実習に人類学を取り入れることが, 医学生にとってどのような経験になるのかは十分に検討されていない. 大学教員, 実習先の教員, 医学生を含む著者らは協働で人類学のフィールドワークを取り入れた臨床実習を行い, 実習の過程・学習成果・事後の振り返りから各々が何を経験したのかを検討した. 検討からは, 人類学を取り入れた臨床実習が, 教育の前提とされる学生と教員の役割および相互の関係性の変化を触媒して, 現在の医学教育の主流であるアウトカム基盤型教育では見落とされがちな「現場の偶発性から創り出す教育」を促す契機となりうることが示された....

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Veröffentlicht in:医学教育 2024/02/25, Vol.55(1), pp.13-19
Hauptverfasser: 宮地, 純一郎, 高屋敷, 明由美, 早川, 典宏, 小曽根, 早知子, 松井, 善典, 照山, 絢子, 木村, 周平, 前野, 哲博
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:卒前医学教育における臨床実習に人類学を取り入れることが, 医学生にとってどのような経験になるのかは十分に検討されていない. 大学教員, 実習先の教員, 医学生を含む著者らは協働で人類学のフィールドワークを取り入れた臨床実習を行い, 実習の過程・学習成果・事後の振り返りから各々が何を経験したのかを検討した. 検討からは, 人類学を取り入れた臨床実習が, 教育の前提とされる学生と教員の役割および相互の関係性の変化を触媒して, 現在の医学教育の主流であるアウトカム基盤型教育では見落とされがちな「現場の偶発性から創り出す教育」を促す契機となりうることが示された.
ISSN:0386-9644
2185-0453
DOI:10.11307/mededjapan.55.1_13