懸田賞受賞リレーエッセイ : 平成23年度 (第18号) 育児中の研究者への応援メッセージ

皆さま, こんにちは. 2011年に第18号懸田賞を受賞した小林志津子と申します. 研究活動はここ数年間というもの休業状態で, リレーエッセイの執筆者にはふさわしくないと思い執筆を辞退しておりました. しかし, 育児と研究を両立させていた時期のことをお伝えすることが一部の読者のお役に立つとの武田裕子編集委員長の命を受けましたので, 当時の経験を振り返って育児中の研究者の方へ励ましのメッセージをお送りします. 「医学生の時にうけた激励「わくわくできる自分の将来を思い描いてみよう」」 佐賀医科大学(現・佐賀大学医学部)の医学生時代には自分自身が研究や論文執筆に携わることになるとは夢にも思わず過ごしていました. 現在のようなインターネット環境はなく, さまざまな情報に乏しい中で授業や実習を受け身な姿勢でやり過ごしながら日々のんびり暮らしていました. そんなおっとりした生活の中で6年生の総合診療部実習を担当してくださった白浜雅司先生からの「君たちはこれから何にでもなれるから, 想像するだけでわくわくするような自分を思い描いてみてください」という言葉に目が覚めました.